社会情勢や経済環境の変化は予想以上に速く、ある日、突然にお客様のニーズと自社の対応に大きなギャップが存在していることに気づかされることはありませんか。また、自社の業務内容も年数を経過するごとに少しずつ変化してきているのにも関わらず、管理方法は従来通りの古いスタイルということはありませんか。
中小企業の皆様がこれらの変化に遅れることなく追随していくためには、表面的に現われた問題だけでなく、それらの問題の裏側に横たわる真の要因をしっかりと把握し、解決していくことが求められます。
日本能率協会が発表した中小企業の経営者が考える「経営課題」のアンケート結果を下図に示します。
これによれば、人材の強化や売上拡大、収益性向上など、多くの課題が挙げられています。また、最近の新型コロナウィルスによる売上低下などの業績悪化の問題も、経営に極めて重大なインパクトを与えています。
ただし、これらの課題は、それぞれが独立した個別の問題として解決できることは少なく、会社全体の仕事のやり方や共通の仕組みが背景要因として関わっているケースがほとんどです。
これらの課題を解決するためには、まず、会社のこれまでの業務スタイルや管理方法をしっかりと認識し、不足しているところや判断基準が不明確だったところ、改善すべきボトルネックなどを見極めることが出発点と考えます。
会社の業務は複数のそれぞれ機能の異なる業務工程を流れて進んで行き、最終的にお客様の手許に商品やサービスが提供されます。会社の本業である部分を処理する基本業務の流れは、例えば、下図のようなパイプラインのイメージで表すことができます。一方、会社の業務としては基本業務を円滑に進めるための管理を行う部分も必要になります。
例えば、御社の場合、仕事を進める上で、どんな「工程」が必要か認識されていますか。それぞれの工程を仕事が流れていく際に、途中の「つなぎ」がしっかりできていないこと、ある工程の「太さ」が不十分でそこで仕事が滞留するようなことはありませんか。
また、業務活動を支える管理系の仕組みはできていますか。社員全体の情報共有や経営状況を把握するための会計経理システムなどは機能していますか。
これまで、多くの中小企業の経営診断や改善計画策定をご支援する中で、経営状況の低迷に悩んでおられる中小企業に共通する問題として、これらの事業遂行のための基本的な構造が十分認識されず、混沌とした状況のままで分析・整理されていないために解決の糸口が見つからないというケースが多いのではと考えます。